ドクターブレードについて

ドクターブレードとは

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ドクターブレードは彫刻ロールなどの凹版に接触させて、余分な塗液(インク)をカキトル役割をする機械部品です。主にグラビア印刷機やフレキソ印刷機に搭載されて、印刷工程の重要な役割を果たしています。現在では印刷に限らず、グラビア印刷を応用した特殊コーティング工程にも使用 され、多くの実績をあげています。
材質、刃先形状などのドクターブレードの仕様は、用途や個々の使用条件によって厳密に選定され、実に様々な仕様のドクターブレードが数多くの現場で活躍しています。
なお、塗料(インク)を平面に一定厚の塗膜を作成するアプリケータもドクターブレードと呼ばれますが、こちらは全く別物で使用用途も異なります。

ドクターブレードの選定の手始めは、多くの事例のノウハウを駆使し、ある程度の絞込みを行います。たとえばダイレクト・グラビア方式の場合と、グラビア・キスリバース方式の場合とでは、ドクターブレードに求められる機能に差があるため、選定基準は異なります。リバースロールコータ方式のメータリングロール用途では、全く違う観点で選定を行うことになります。ご使用される装置との相性も加味し、理想的なドクターブレードの選定をお手伝いいたします。

ドクターブレードの構造

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先端をしならせて彫刻ロールなどの凹版に接触させるため、しなやかなバネ性とある程度の耐久性を兼ね備えた素材で出来ています。できるだけ薄い素材が理想的で、金属製とプラスチック製があります。刃先と呼ばれる薄板の縁(エッジ)を凹版に直接接触させるため、この刃先は入念に仕上げが施されています。
一般的に使用されている刃先形状は、段付あるいは刃付、ラメラなどと呼ばれる先端が薄く加工されたタイプです。ドクターブレードの約8割はこの段付です。彫刻ロールとの接触により先端の摩耗が進行しても彫刻ロール表面への刃先の接触面積は変わらない=カキトリ性能が変わらないという理由から、段付になっていますが、現在では接触面積不変効果より、しなり効果が評価されています。段形状で先端が薄くなっているため、しなりが大きくなり、取り付け精度などドクターブレード周りの不安定要素をしなりによって吸収し、彫刻ロール表面と刃先の安定した密着性をキープすることができます。

接触角度

ドクターブレードを彫刻ロールにどのような角度で接触させるかは、重要なポイントです。接触角度はカキトリ効果を大きく左右する要素のひとつです。
彫刻ロールとの接触角度は通常60°程度ですが、70°80°と角度を上げると、よりシャープにキレるようになります。逆に50°40°と下げていくとシャープさが無くなりキレなくなります。しかしながら、シャープなキレ味を求めて、角度を大きくすると、彫刻ロールと刃先の密着性が低下するといったデメリットも出てきますので、セオリーにとらわれず、種々お試しされることをお勧めいたします。

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ドクターブレードの取り付け

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取り付けは、ドクターホルダーを使用します。2分割になる剛性の高い部材の間に挟み込み、必要であればバックアップブレードと一緒に固定されます。一定間隔で配置された数本のボルトを締めることで固定されます。締める力がバラつきますと、刃先の波打などの原因になるため、トルクレンチを使用して均一なボルト締めを行います。また、ドクターブレードの固定で重要なのは、ホルダー先端からの突き出し(刃先の出代長さ)寸法です。突き出し寸法を短くすると、しなりが抑えられ、シャープなキレ味になり、突き出し寸法を長くするとしなりが大きくなり、カキトリ効果が低下します。こちらも一長一短がございますので、短くすれば良いというものではございません。ドクターブレードにかける圧力にも関わるところですので、他の設定要素と合わせて決定します。

チャンバードクター

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チャンバーホルダーへのドクターブレードの取り付け方向ですが、基本は段付部分が内側になるように取り付けます。逆方向に取り付けた方が具合が良い場合は、段付リバースアングルをご使用ください。チャンバーホルダーにおけるドクターブレードの角度調整は変更できませんが、ドクターブレードの幅寸法を変えることにより当たり位置を若干ですが変更することができます。